「優良工事監理設計事務所の認定についてT〜仕事の能力」
大阪府では以前から法令事務所制度という他府県に無い耳慣れない制度を持っていました。一般の方には関係無いかもしれませんが、一言で言えば「行政が認めた割りとちゃんとした設計事務所ですよ」という事です。持って回った言い方をしましたがその点がいわゆるあいまいな部分であり、行政が決めた制度(行政だけではないのですが)の限界とも言えるのかもしれません。ところが本年度からその制度が廃止になり(建築基準法が改正になり余り意味を為さなくなってしまった)、代りに優良工事監理設計事務所(工事監理の☆)という制度にすりかわりました。その認定の申請を我々の事務所もしていたのですが、そこで起こった不可解なことについて少し。
我々の事務所はそんな大事務所でもありませんし、また建売り住宅を設計されているような事務所でもないので年間に建築確認申請(いわゆる新築物件)を提出する数はしれています。考えてもみて頂きたいのは、1軒の家を受注・設計して建築確認申請を提出するまでに、半年も掛ってしまっている状況において、年間にそう何件も申請を出す事は出来ません。またリフォームや店舗内装など建築確認申請が不要な物件も数多くあります。ところが担当の方からは、津田建築研究所は建築確認申請の数が少ないから△マークがついているとの連絡を受けてしまう始末です。言いかえればそれは、技術的なことは棚上げにして、あなたは仕事を受注する能力が無いからこの制度の資格には相応しくないといっているのと同じ事だと思うのです。
行政とか協会とかに働く方は、まず一般社会に出て自分で働いてみるべきです。仕事を取ることがどれほど大変な事かを身にしみて感じてみるべきです。それが判っていれば、我々に言ったような事がまったく今回の認定の主旨とは的外れになっていることに気がつかれると思います。(まぁ気が付けばそんな事は言わないんでしょうが)
平成16年3月15日
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