「設計料についてU〜設計料の妥当な値段は」
では設計料の妥当な値段とは何でしょうか。設計作業とは技術的な面と芸術的な面の2面性があります。技術的な面に対しては国土交通省(以前の建設省)では告示で一様の目安みたいなものを出しています。(告示1203号)但しそれをそのまま当てはめれば非常に高い設計料になってしまいます。国や地方自治体の発注する設計料の算出がその告示によっていることは無く(何故か?国や行政の本音と建前がそこにあるようでなりません。一応建前上は高い設計料をもらいなさいよと言っておいて、自分たちが払う分にはそんなには払えないよ、なんて。以前東京有楽町の国際フォーラムの設計料が実際のこの告示通りに算出されて、非常に高額になって問題になったことがありました。やはり国や行政も外圧には非常に弱いようです。)、我々が計算してみると直接人件費(いわゆる給料)しか見込まれていないのが現状です。電気代や各機器のリース費などの間接経費や事務所の利益などを見込む余地はありません。国や行政からしてそんな状態であるのにましてや一般社会はという感です。しかし一般社会では、我々とクライアントはあくまで対等でありどちらが上・下という事ではありません。ですから選ぶ権利は我々にもあると考えています。
設計事務所の多くは建物などの工事費の何%という算出の仕方をされているのが多い様です。たとえば住宅であれば工事費の10〜15%位、大規模物件であれば物にもよりますが約5%前後などです。我々も以前この方式で算出していましたが、一度痛い目にあってこの方式を止めにしました。設計した物件の設計概算工事費に対しての設計料を見積りしていたのですが、工事が入札となり尚且つ施主の設計変更等などによる工事費減(これまた最終的には追加工事など色々もめたのですが)によって設計費も減。施主都合による様々な設計変更作業や業者折衝等の手間が増となったにもかかわらず、工事費の何%の算出方法であったが為に、そのまま押し切られてしまったというのが現実です。それ以降我々は建物用途別に面積単価を設定するようにしています。これであれば工事費の大小に関わらずまた入札などの工事費の増減に関わらず、設計費がある程度固定されるので、ここ数年この方式で余り問題無くやってこれています。
平成16年2月23日
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