「設計料についてT〜設計料とは何か」
最近設計料に対してのお客様の感覚について、色々と考えさせられる事が何回か続きました。「設計料とは何か」「設計料の妥当な値段は」「設計費のディスカウントについて」「設計入札」などなど。
まず「設計料とは何か」という問題。「設計料」は「設計」と読み替えても良いかもしれません。「設計」とはクライアントの要望を法規や社会通念に照らし合わせ、具体化する作業です。但し単に具体化するだけではなく、そこには建築家としての美意識やノウハウなどが盛込まれます。そこに建築家(或いは設計事務所)に設計を頼む価値があるのだと自分では思っています。
たまにクライアントの中には、自分第一が非常に強く、我々の言う事をまったくと言っても聞いて頂けない場合もあります。その場合においては、最終的には我々としてはクライアントから費用をもらっている以上、クライアントの言う事を聞くしかありません。「俺がこれで良いって言うんだからいいんだ。」と言うような感じです。でもこれでは建築家に頼む意味がありません。もっと一緒になって考え、お互いの意見や価値観をぶつけ合い一緒に建物を作っていこうという意識が必要だと思います。我々も機械ではなく人間である以上、気の乗らない仕事に対しては引いてしまうのは止むを得ません。そういう方にとっては設計料は高いものになります。自分で設計をしてしまっているのですから、我々はあくまでドラフトマンとしての扱いになってしまいます。そうではなく自分では出来ない事を代りにやってくれる或いは代りに作り出してくれると考えれば、設計料は全然高くないと思います。(色々な設計料があると思うので高い方もおられるでしょう)例えば店舗などではその設計如何によって売上の大小が影響されます。その点をわかって頂けるクライアントを見つけることが我々の一つの仕事かもしれません。
平成16年2月16日
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