「共同住宅の改装1〜専有部分と共有部分」
共同住宅(いわゆる分譲マンション)の一室の改装の仕事に携わって感じる事は、他人とものを共有する難しさです。世の中のほとんどの人の考え方で共通するのは、「自分の土地・建物なんだから、他の人に迷惑を掛けなければ、勝手にやらしてよ。何かあったら自分で責任を取るよ。」でもこの論理がなかなか通じないのが、共同住宅です。いやもっと厳密な意味でこの論理に則っていると言った方が良いかもしれません。その原因は、専有部分と共有部分にあります。区分所有法では、建物の躯体、サッシなどは共有物であり、壁の仕上から内側だけのインテリア部分のみが、占有部分(所有物)となっています。内装の改修だからといって外側にまったく影響を及ぼさずに出来るのかというと、住戸であれば可能とは思いますが、1階などのテナントとなるとそうはいきません。外観も大切な要素となり、また設備的な面でも影響を及ぼす事も無いとは言えません。なかなか自分たちの思う通りにならないのと同時に、人間的な世界がその交渉の過程に垣間見えるのは何故なんでしょうか。当然共有部分に対して何らかかの影響を及ぼす場合には、他の共有者の了解を得る必要があります。とここまでは分かるんですが、その了解を得ると言う部分がなかなか難しいんです。
平成15年10月6日
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